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卵管閉塞でも妊娠できる? どう治す? 3分でわかる治療のポイント

まとめ 不妊治療

卵管閉塞でも妊娠できる? どう治す? 3分でわかる治療のポイント

「卵管閉塞」は不妊原因のひとつ?検査ではじめてわかることも多い卵管閉塞の治療と妊娠、不妊治療についてまとめました。

2018.5.10

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「卵管閉塞」と聞くと大変な病気のように感じますが、普段はあまり自覚症状がないようです。その分、妊娠がしづらいと感じた時には、症状がすでに進んでいることもあります。


卵管閉塞とはどんなものなのか、どうすれば治療できるのかについて知っていきましょう。


卵管閉塞している場合の自然妊娠や不妊治療についても、わかりやすくご紹介します!



目次



  1. 卵管閉塞とはどんな状態?

  2. 卵管閉塞の治療はどんなもの? 手術は必要?

  3. 放置は危険 性感染症と卵管閉塞との関係

  4. 卵管閉塞からの妊娠は可能?


卵管閉塞とはどんな状態?


女性は、普段自分自身が正常に排卵し、卵子が子宮に送り込まれているかどうかを知ることはできません。


卵管閉塞とはどんな状態を指すのでしょうか? また、卵管閉塞になることで、どんな不都合が起こるのでしょうか? 


 


“卵管は、卵子を吸い上げ、卵子と精子が出会う受精の場であり、また、波打つように動くことで受精卵を子宮内に送り込む役目をしている左右1対の器官です。非常に繊細な管のため、内部で閉塞や癒着が起こることで受精卵が通過できなくなったり、卵巣から飛び出した卵子を取り込めなくなることで不妊の原因になります。卵管障害は女性の不妊原因の30?50%を占めるといわれ、その原因には、卵管内部の幅が狭くなる「卵管狭窄」、卵管が完全に詰まってしまう「卵管閉塞」などがあります。また卵管が開通していても、癒着により、卵管運動が低下し、卵子が取り込めなかったりする「卵管癒着」もあります。これらは、クラミジアや淋菌など性感染症による卵管の炎症や子宮内膜症によって起こります。”



"卵管留水腫の治療には、身体的負担が少ない「水腫吸引術」を採用しています"


着床の妨げになる子宮と卵管の状態とは



卵管閉塞の治療はどんなもの? 手術は必要?


卵管閉塞が見つかった場合には、当然ながら卵子は通り道がなく、正常な妊娠ができないとされる状態です。治療方法は症状に合わせて選択するようです。


 


“卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル法)


卵管閉塞や卵管癒着といった卵管の通過障害に対し、腟から卵管鏡を挿入し詰まった卵管を広げ、通過性を回復させる治療法です。


直径0.6㎜ほどの細く柔らかい卵管鏡には小型カメラが内蔵されており、先端の一部分が風船状に膨らむバルーンカテーテルとなっています。卵管内の状態を観察しながらカテーテルを進めていき、狭くなった部分でバルーンを膨らませ、卵管腔を広げることで通過障害を解消します。


ただし、卵管周囲の病変や卵管膨大部先端が閉塞した留水症には効果は認められず、腹腔鏡下手術が必要となります。”



"お腹を切ることなく卵管内の様子を確認し、処置できるため、体の負担が少なく、日帰りで治療を受けられます。また、不妊治療として保険適用があり、高額療養費の扱いを受けることができるので、経済的負担も軽くなります。"


卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル法)



放置は危険 性感染症と卵管閉塞との関係


卵管閉塞の原因の中にクラミジアや淋菌など、性交渉で感染するウイルス・細菌がありましたが、クラミジアを例として、なぜそんなことが起こるのかについてご紹介します。


 


“クラミジアは、子宮入り口の子宮頸部に感染源ができ、そこから広がって子宮内膜や卵管に炎症を起こします。つまり子宮内膜炎、卵管炎を発症し、卵管癒着や卵管閉塞を招いたりするものです。さらに、卵管から腹腔内の感染や骨盤腹膜炎などの原因になります。卵管が炎症を起こして狭くなったり閉塞するので、不妊症の原因の一つにもなります。”


 


もしも感染症の不安がある場合には、早めに検査を受けたほうがいいですね。パートナーと一緒に検査・治療を受ける場合の流れは以下のとおりです。


 


“子宮頸部をこすってクラミジアの抗原を調べるのが一番正確ですね。PCR法といって、ごく少量のクラミジアも検出できます。女性が陽性ならパートナーも検査する必要があります。男性の検査は、尿道の中のクラミジアを見つけるために、朝一番の尿で調べます。ただ男性の方の場合、尿検査では、陽性が出ないこともあります。もし感染していても抗生物質のジスロマックRをカップルで1回4錠飲めばだいたい治ります。服用2週間後に女性側を再検査して陰性になったか確認します。 ほとんどの場合はこの方法で治りますが、万が一陽性でしたら、もう1回治療します。”


 


性感染症はピンポン感染(カップル双方が性感染症にかかっている場合、同時に治療せずに片方が治っても、もう片方に再度感染させられ、互いに感染を続ける状態)が恐い病気とも言われます。もしも病気が見つかったら、パートナーと一緒に治療しましょう。



"過去の感染のために卵管が詰まっていることも考えられますので、その意味でもすぐに子宮卵管造影検査を行ったほうがいいでしょう。"


以前、クラミジアの治療済み。昨年の検査で陰性でしたが今回は陽性で戸惑っています



卵管閉塞からの妊娠は可能?


さて、次に気になるのは、妊娠とのかかわりです。


卵管閉塞と診断されても、自然妊娠は可能なのでしょうか? また、自然妊娠が難しい場合には、不妊治療としてどんな方法があるのかについても知りたいですね。


 


“子宮卵管造影検査で卵管閉塞だったのに、自然妊娠するというケースはまれにあります。検査の時に造影剤を入れることによって、もともと詰まっていた卵管がレントゲン写真では確認できないくらいに少しだけ通ったのだと思います。検査を受けてよかったですね。当院でも実際に何例か経験があります。ですから、たとえ子宮卵管造影検査をして両側とも卵管が閉塞していた場合でも、「今日の検査では通っていないように見えますが、自然妊娠の可能性がまったくないというわけではありません」というふうに患者さんには伝えています。”


 


卵管閉塞と診断されても、中には自然妊娠したというケースもあるようですね。



"子宮卵管造影検査を行った後は、卵管の通りがよくなって妊娠しやすくなるといわれています。まおさんも、検査の影響によって妊娠できた可能性が高いと思いますね。"


卵管が完全閉塞なのに自然妊娠できたのはなぜでしょうか?妊娠後の処置も不安です



加えて、先ほどご紹介した卵管閉塞そのものの治療から人工授精という方法があるようです。


 


“人工授精は、フーナー検査が不良、つまり子宮頸管を精子が通過できない場合に適応になります。


人工授精も精子や受精卵は卵管を通過しますので、卵管通過障害(狭窄・閉塞)がないことが前提です。マロさんの場合は、毎回フーナー検査の結果不良とのことですので、当然まずは人工授精を試してみるべきだと思います。卵管造影検査をして卵管の疎通性が確認できていれば、マロさんは33歳と年齢的に若いですし、人工授精を3回試してみることは、とても意味があることです。また、片方が閉塞している場合でも、開通している卵管側からの排卵が多ければ、人工授精の効果を期待できます。逆に片側の卵管が閉塞していれば、閉塞している側から排卵した場合、妊娠の可能性が低下していくことは間違いありません。そのためにも卵管造影検査をして、卵管の通過性を確認しておく必要があります。”


 


“卵管の疎通性が確認できた場合でも、人工授精は累計5回以上になると妊娠率が横ばいになり、頭打ちになります。その場合は、体外受精へのステップアップをおすすめします。また、片方の卵管が閉塞していて、閉塞している卵管側からの排卵が多い場合は、早めに体外受精へのステップアップを検討されてみてもいいと思います。”


 


ということで、人工授精での妊娠が難しい場合、また卵管閉塞の治療が難しい場合には体外受精が選択肢と言えそうです。



"片方の卵管が閉塞していると、閉塞している側の卵巣から排卵した場合、人工授精の成績はきわめて低くなります。原因がわからず不安を抱えたまま人工授精をされるのはよくありません。"


FT手術後に再発の疑い。 人工授精を続けて 妊娠の可能性は?



いかがでしたか? 卵管閉塞は自己診断がまったくできないため、早めの婦人科受診が安心の鍵となりそうですね。相談したいと思ったタイミングで、一度気軽にクリニックを訪れてみてはいかがでしょうか?


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