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【Q&A】質のいい卵子がないのでしょうか? -清水先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】質のいい卵子がないのでしょうか? -清水先生

何度採卵しても移植に至らないことも。質のいい卵子が採れる可能性はあるのでしょうか?ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータの清水なほみ先生に伺いました。

2019.8.2

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相談者:豆子さん(35歳)



質のいい卵子がないのでしょうか?…
こんにちは。不妊治療を始めもうすぐ3年になります。タイミング、人工授精、体外、顕微とステップアップしてきました。

クロミッド、レトロゾールを使った低刺激での胚も、ゴナールエフ連日注射のアンタゴニストの高刺激の胚も初期胚の段階でのグレードがよくありませんでした。低刺激で9回、高刺激で1度採卵しました。低刺激では未受精、分割停止、空砲、未成熟などもあり、グレード3を3回しか戻せず、着床に至りませんでした。ゴナールエフ150を連日注射の高刺激で5個取れ、4個受精しましたが、4日目で3つ分割停止。1つも可能性はかなり低いとの事でした。

質問です。このまま何度も採卵を繰り返しても、私には質の良い卵子は残っていないのでしょうか?
刺激法、薬剤、採卵のタイミングなどを変えれば質がよい卵子が取れる可能性はあるのでしょうか?

卵子の質は年齢だけでなく、個人差ありということなので、私はもう諦めた方がいいのかと考えこんでしまいます。タバコもお酒も全くやりません。睡眠も良好です。食生活はバランスバッチリとは言えないですが、3食食べています。ストレスは人より貯めやすい性格だと思います。長年のストレスが胚の質を低下させたのでしょうか?




清水先生からの回答




ご質問のポイントは「質のいい卵子があるかどうか」ということだと思いますが、実際に卵子がどのくらいあり、その「質」が良好かどうかを厳密に予測することは困難かと思われます。
検査をしたタイミングが何歳の時なのかが分かりませんが、AMHの数値が「年齢相応」ということは、現時点で「質のいい卵子がない」という可能性は低いと考えられます。
にもかかわらず、治療がうまくいかない理由は何でしょうか?


まず、何のために不妊治療を行っているのか?
何のために妊娠したいのか?
原点を振り返ってみる必要があるかもしれません。

治療期間が長いと、妊娠のその先が見えず、「卵胞が育つかどうか」「いい受精卵ができるかどうか」「着床するかどうか」などにこだわりすぎてしまいがちです。
本来の自分の体が持っているはずの機能を忘れてしまっていることもあります。 自分の体への信頼度が下がれば下がるほど、治療はうまくいかなくなります。


何のために「赤ちゃんが欲しい」と思いましたか?
妊娠したら、どのような方法で赤ちゃんに愛情を伝えたいと考えていますか?
どのように出産して、そのような子育てをしたいと考えていますか?
「今はそんなこと考えるなんて無理!」と思っていたら、それが赤ちゃんが足踏みしている原因かもしれません。


自力で卵胞が育たない場合、無意識に卵巣機能を抑える理由があることが多いです。「ストレスをためやすい」と書いていらっしゃいますが、本来「ストレス」という物体はどこにも存在しません。
「自分はストレスに弱い」といった信じ込みの根拠はどこにあるのでしょうか?
それと同様に「自分には質のいい卵子がないかもしれない」と思う根拠はどこにあるのでしょうか?


無意識に排卵を抑える理由として多いのが、妊娠や出産に対しての不安だったり、子どもができたら「失う」と思っている何かがあるケースが多いです。妊娠したいけれど、子どもができたら自由な時間が無くなるかもしれない・・・といった思いは「二重拘束状態」といって、妊娠したいのにしたくないという、どっちにも行けない状態を生み出します。
妊娠まで、妊娠中、産後に起こりうる、ご自身にとっての「嫌だな」と思うことを書き出して、それらの対処方法をあらかじめシミュレーションしておくことをお勧めします。


今後の誘発の方法や、治療を継続するかどうかは、ご夫婦での相談になると思いますが、「治療を中断したら自然に妊娠した」というケースが少なくないのをご存知でしょうか?
「なんで卵が育たないんだ~」と躍起になって治療をしている時は、一言で言うと肩に力が入って妊娠を「実現困難なもの」と捉えているということです。治療をお休みして自然に過ごしている時は、「ま、いっか」と思って肩の力が抜けている状態なのです。

今の状態を、これから来ようとしている赤ちゃんの立場に立って眺めてみてください。
何で今すぐ行きたいと思えないのかが、見えてくると思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

清水 なほみ 先生


2001年、広島大学医学部卒業。広島大学附属病院産婦人科、ウィミンズウェルネス銀座クリニックなどを経て2010年、横浜ポートサイドで「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。ビバリータはサンスクリット語で「輝くような魅力的な女性」を意味する。薬に頼らないで病気にならないための「脳の動かし方」を指南する。 日本産科婦人科学会専門医、日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。そのつどテーマを設けたワークショップを定期的に開催。詳しくはクリニック公式サイトで。

≫ ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ

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