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【Q&A】採卵と移植の進め方-浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】採卵と移植の進め方-浅田先生

AMHの値が低く、採卵数が非常に少ないです。移植可能な胚を得られない中、どうしても妊娠したい。今後の選択肢は?浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2019.12.15

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相談者:あっぷるさん(38歳)



採卵と移植の進め方
今後の体外受精の進め方で悩んでいます。
 AMHが低くて卵巣の反応が悪く、アンタゴニスト法やショート法をしていますが、採卵数が非常に少ないです(2~4個)。まず採卵を4回したのですが、1回目は凍結基準を満たさず移植も凍結もできず、2回目は初期胚(2日目4分割グレード1)1つ凍結、3回目は6日目胚盤胞(5BA)1つ凍結、4回目は5日目胚盤胞1つ凍結、をしました。5日目胚盤胞ができたので移植しましたが、心拍確認後に稽留流産となりました。流産手術後、胎盤ポリープがあることが分かり、9ヶ月もその治療(待機療法で自然排出)にかかりました。ポリープ完治後に採卵を2回しましたが、1回は刺激中に卵胞が見えなくなり中止、もう1回は凍結基準を満たさず移植も凍結もできず、また採卵に向けて準備を進めているところです。今残る凍結胚は、初期胚1つと6日目胚盤胞1つです。
 とても悩んでいるのは移植のタイミングです。なかなか移植可能な胚を得られない中、どこまでを目安に採卵を続けるのが良いのか、迷っています。早く妊娠したく、5日目胚盤胞ができれば移植しようとも思いますが、高齢の場合は染色体異常の胚盤胞も多いと聞きます。もし流産(からの胎盤ポリープ)がまた起これば、長らく時間がかかってしまう上、その後は移植可能な胚が一層得られなくなってしまうのではないか、もう完全に妊娠が望めなくなるのでは、という不安も強くあり、急がば回れで複数の5日目胚盤胞ができるまで採卵をした方が良いのかとも思っています。どうしても子どもを授かりたいです。正解がないのは分かっていますが、採卵と移植にのぞむ選択肢として、どういう考え方やスケジュール、目安が良さそうなのか、ぜひアドバイスを頂けましたら幸いです。



浅田先生からの回答




AMHが0.48ということで、通常のアンタゴニストやショート法では、沢山の卵子は採れません。というのは、原始卵胞は排卵の半年前から成長を始め、後半の3か月はホルモン依存で成長するからです。今一生懸命刺激をしても、半年前の育ち始めの数を増やすことはできません。
このように卵巣予備能の低い方に対しては、毎日注射をしてもそれだけの効果が得られないため、私は簡易の卵巣刺激を行っています。注射は高額なため、それに見合った卵子の数が望めない場合は、内服薬中心で少しずつ卵子を採っていくという戦略です。

また、高齢になってくると胚盤胞到達率も低下するため、当院では卵子の数が少ない人の場合、胚盤胞にこだわらずに前核期で凍結し、それを3日目で胚移植しています。胚盤胞まで体外で育てるとそれなりに卵子に負荷がかかるため、卵子が弱ってしまい、移植のチャンスを逃してしまうという考えです。

胎盤ポリープで9カ月も治療を休んだということが、私には少々釈然としません(ポリープの性質や程度にもよりますが)。ポリープの治療を継続しながら、ポリープが小さくなるのを待ちつつ採卵することも可能ですので、採卵して凍結受精卵を溜めておき、移植周期を別途考えればよいのではないかと思います。また、子宮鏡でポリープを取るなど、もっと早く治療できる手段もあったのではないかとも思われます。

あっぷるさんにとって一番大切なことは、少しずつ育っている卵子をいかに沢山保存できるか、ということです。その上で治療の期間をできるだけ短くして結果を出すことを重視していくべきでしょう。


 


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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