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タイムラプスで妊娠率向上を目指す
受精卵の成長を観察して記録! 松本レディースクリニックは、2020年1月の施設拡張を機に先進培養機器「タイムラプスインキュベーター」を導入。医療側、患者側にとってどんなことが期待できるのか、同院の松本玲央奈先生にお話を伺いました。
2020.3.20
コラム 不妊治療
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【特集】アンタゴニスト法【卵巣刺激の方法】
その人に合った卵巣刺激を行い、成熟度のよい卵子をしっかり採ることが大事だと浅田義正先生は考えています。その浅田先生が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)予防のために選択する頻度が高いアンタゴニスト法。どんな方法なのか、詳しくお話を聞きました。
2020.3.19
コラム 不妊治療
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卵子提供ってどうやって行われているの?
不妊治療を行うにあたって、卵子提供を伴う治療を必要とする方は、世界中にたくさんいらっしゃいます。卵巣機能不全、更年期障害、若年性更年期障害、女性側の年齢の問題など、その理由はさまざまです。ご自身の卵子での妊娠は難しいと診断された方であっても、卵子提供を伴う体外受精という方法を取ることによって、ご自身での妊娠・出産が叶います。とはいえ、卵子提供を受ける場合、日本国内では非常に難しいのが現状。実際には海外での治療を検討し、実施に至る日本人カップルが数多くいらっしゃいます。今回は、海外で行われている卵子提供について、国際的に活躍する生殖補助専門医、ニチケ・マルクス先生にお話を伺いました。 1.卵子はどのような形で提供されるのでしょうか?卵子提供の方法には、知り合いが提供者となる「非匿名」、提供者の身元が明かされない「匿名」、提供者のIDのみが開示される「ID公開」という3つのパターンがあり、採用される方法は国によって異なります。以下、詳しく見ていきましょう。(1) 非匿名での提供このケースに該当するのは、姉妹やいとこ・友人知人といった、患者と旧知の間柄にある女性が、卵子の提供者になる場合です。100件の治療のうち2・3件程度しか行われておらず、実際の施術数は少なめです。この場合、患者と提供者が一緒にクリニックへ行き、治療をスタートすることになります。卵子提供に伴う金銭の受け渡しは禁止されており、治療開始前にはカウンセラーとの面接の場で、お互いの関係を証明しなければなりません。この方法は、欧米ではベルギーで行われているほか、アメリカでも許可されています。アメリカの提供プロセスは通常ですととても厳しいのですが、非匿名の提供の場合、比較的すんなりと進行できるケースがほとんどです。(2) 完全に匿名での提供匿名での卵子提供の場合、患者も提供者もお互いに相手のことを知らないまま治療を行うことになり、将来誕生する子も提供者が誰であったのか知ることはできません。といっても患者が提供者の情報に一切アクセスできないわけではなく、本名や住所、パスポート番号といった個人を特定する情報以外の一般的な情報であれば、知ることができます。「匿名での卵子提供」は、さらに下記A・Bの2つのケースに分けられます。A. クリニックが提供者を選ぶケース患者の身体的特徴を尊重しながらクリニックが提供者を選ぶやり方で、スペインやイタリア、ブラジル、フランスなどで行われています。個人情報保護のため、患者は提供者の写真を見ることはできません。謝礼金が少額だったり、全く支払われなかったりするため提供者が少ない傾向にあり、特にもともとが少数派であるアジア系であると、提供者が見つからないこともあります。B. 患者が提供者を選ぶケース同じ匿名での提供でも、ウクライナや南アフリカでは、Aのケースと違って患者自らが提供者を選ぶことができます。提供者を選ぶ際には、個人を特定できる情報以外の一般的な情報に加え、候補者の写真を閲覧することも可能です。同時に、患者は提供者の個人情報を探さないと明記された書面にサインする必要があります。(3) ID公開による提供このケースでは、卵子の提供自体は匿名で行うものの、誕生する子が成人になった時点で、卵子提供者の身元を知る権利が生まれます。ただし、これはあくまでも子ども自身が持つ権利であって、親(患者)の権利ではありません。また、権利を行使することによって提供者の身元が判明しても、お互いへの何らかの請求権などは一切発生せず、親子関係に影響を及ぼすこともないとされます。IDの公開による提供はポルトガルやデンマーク、イギリスなどで行われていて、件数は年々増加しています。 2.卵子提供者へどの程度の謝礼を支払う必要がありますか?卵子提供には通院や検査、服薬、さらに麻酔を伴う採卵などが欠かせないため、提供者には大きな負担がのしかかります。ですから、国によっては提供者に対して謝礼が支払われることもあります。これは決して、卵子を売り買いするためのお金ではありません。提供者の時間や労力に対して支払われるものです。また謝礼金は提供者の外見や学歴、キャリアによって変動するものであってはいけないと定められています。アメリカでは上述の(1)(2)(3)全ての形での卵子提供が認められていますが、提供者とエージェンシー/クリニックは契約書を締結し、その契約に基づいて提供者が「仕事」をするという位置付けが取られています。 3.自分に適した方法を、どうやって選べば良いのでしょう?これまで見てきた通り、卵子提供の方法は国によって違っていたり、同じ「匿名」「謝礼」といった言葉が使われていても、それが意味する内容はまちまちであったりします。患者の考え方も多種多様で、提供者のことは一切知りたくないという方もいれば、性格や趣味まで詳細に把握しておきたいという方もいます。正解は一つではありません。海外で法に基づいた卵子提供を受けようかと検討している方は、ご自身にとって何が大切なのかをよく考え、パートナーがいる場合にはお互いにじっくり話をして、慎重に決断されることをお勧めします。 ニチケ・マルクス(Markus Nitzschke)先生 生殖補助医療専門医・産婦人科医。世界各国のクリニックでの経験を経て、現在は各所のクリニックと提携しながら国際的な活動を展開。特に卵子提供を伴う体外受精を行う。≫ Instituto de Reproducción CEFER(Amrita Fertility Japan提携クリニック)
2020.3.18
インタビュー 不妊治療
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【特集】ロング法とショート法【卵巣刺激の方法】
高刺激として代表的なのがロング法とショート法。卵巣に強い刺激を与え多数の卵子が採れることが期待されますがこれらの方法は人により向き・不向きがあり、副作用も考慮しなければいけません。高刺激法の利点や注意点について秋山先生にお聞きしました。
2020.3.18
コラム 不妊治療
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【特集】低刺激法【卵巣刺激の方法】
低刺激法は体や経済的に負担が少なく連続して挑戦できるメリットの一方で一度の採卵数が少ない。一口に低刺激法と言っても施設により違いがあり微妙なさじ加減で結果が変わると松山先生は言います。低刺激法のしくみからおすすめする方の傾向を聞きしました。
2020.3.17
コラム 不妊治療
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【特集】自然周期法 VS. 卵巣刺激法【卵巣刺激の方法】
体外受精の時、どう卵巣を刺激し卵子を育てていくかは大きなポイントの一つです。どの刺激法が自分に合うのか?そこで卵巣刺激法決めに大切なことや、それぞれの特徴についてファティリティクリニック東京の小田原先生に伺ってみました。
2020.3.16
コラム 不妊治療
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【Q&A】体外受精をすすめられました!!-浅田先生
卵子が成長せず、注射で治療するも子宮が腫れてしまう。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
2020.3.15
専門医Q&A 不妊治療
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【Q&A】体外受精をすすめられました!!-北村先生
卵子が成長せず、注射で治療するも子宮が腫れてしまう。明大前アートクリニックの北村誠司先生にお答えいただきました。
2020.3.15
専門医Q&A 不妊治療
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【特集】周期数、妊娠率、出産率…数字マジックに惑わされない!【良い病院の選び方】
前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!
2020.3.13
コラム 不妊治療
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【特集】知識を最大の武器にして、納得のいく病院選びを【良い病院の選び方】
前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!
2020.3.12
コラム 不妊治療
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【特集】病院選びの目安にも…不妊治療に必要な検査とは?【良い病院の選び方】
前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!
2020.3.11
コラム 不妊治療
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【特集】治療データを正しく読み取ってクリニックを選択しよう 【良い病院の選び方】
前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!
2020.3.10
コラム 不妊治療
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【Lesson1:不妊の原因と検査】奥裕嗣先生の不妊治療はじめて講座
不妊症の原因はさまざまで、女性側や男性側、その両者に見つかることや基本の検査では見つからない因子が隠れていることも。不妊治療をはじめる前に知っておきたい不妊症の原因や検査について、レディースクリニック北浜の奥裕嗣先生に教えていただきました。
2020.3.9
コラム 不妊治療
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【Q&A】セトロタイドの注射の場所について-浅田先生
皮下注射であれば腕でもいいの? 浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
2020.3.8
専門医Q&A 不妊治療
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【her story vol.65[前編]】長きにわたる不妊治療、流産、死産を乗り越えて
【her story vol.65[前編]】 自分が経験した悲しみ、喪失を学びに代えて 相談室を開設。そして、自分が産めなくても 育てることはしてみたいと夫に伝えました。
2020.2.28
コラム 不妊治療
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天気のよい日は空を見上げて「ママ、ここにいるよ」
38歳で不妊治療を開始して42歳で妊娠。 明るく笑って、楽しく生活していれば、きっと来てくれると信じていました。
2020.2.27
コラム 不妊治療
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【her story vol.63[後編]】繰り返す流産と、どう戦い、克服したかを話すのが私の役目
【her story vol.63[後編]】 1人目を自然に授かった私が不育症? 何度も流産を繰り返しても諦めなかったから、2人目の娘と出会うことができました。
2020.2.26
コラム 不妊治療
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【Q&A】タイミング法でいつまで様子を見るべきか-浅田先生
タイミング法で5回陰性。主治医からはあと3回は様子を見てみたらと提案されたが、どうしたらいいのか悩んでいます。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
2020.2.9
専門医Q&A 不妊治療
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【Q&A】タイミング法でいつまで様子を見るべきか-北村先生
タイミング法で5回陰性。主治医からはあと3回は様子を見てみたらと提案されたが、どうしたらいいのか悩んでいます。明大前アートクリニックの北村誠司先生にお答えいただきました。
2020.2.9
専門医Q&A 不妊治療
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不妊治療中の心のケアの大切さについて
不妊治療を始めたことで不安や苛立ちが募り二人の関係がギクシャクしてしまう、さらには周りの人間関係にまで影響が及ぶ、といったことは、決して珍しい話ではありません。妊娠を望んでいるカップルの6組に1組が妊娠の過程でなんらかの困難を感じていると言われる時代。素敵な人と出会い、結婚し、妊娠するという子どもの頃から当然のように思い描いてきた人生のステップがスムーズにいかないことへのフラストレーション、さらには、治療をしたとしても妊娠が100%保証されているわけではないというもどかしさ。そして「周りがみんな」妊娠しているのに「私だけ」妊娠できない、と感じてしまう孤独感。妊娠しにくいという状況を経験して不妊治療に至るまでの心の変化は、まさに感情のジェットコースターです。心と体は繋がっていますから、治療中の心のケアはとても大切。また、治療を卒業されて新しいステージに進まれるにあたっても、心をしなやかで健康な状態に整えておくことは、とても大切です。 今回のコラムでは、不妊治療中の心のケアの大切さについてお話します。 不妊治療を受けるカップルの揺れ動く心“妊娠が難しい”という現実に直面したとき、傷つき辛い気持ちになってしまうのは男性も女性も同じ。ただ、その受け止め方や感じ方には男女で差があり、異性間カップルである場合、どうしても女性の方がより責任を感じ、治療の辛さを1人で背負ってしまいがちです。女性は、妊娠を意識して母性のスイッチが入ると、「妊娠したいのにできない」「していない」という現実に対して責任を感じやすい傾向にあります。また、治療でホルモン剤を使用する場合にはメンタルに影響があり気持ちのアップダウンが大きくなることも。さらに、男性が治療に積極的でなかったり、協力的でない場合にも、女性は孤独を感じ治療のプレッシャーやストレスを1人で抱えてしまうことが多いようです。不妊治療を通してカップルの絆が深まることもあれば、治療のストレスや考え方の違いで2人の心の距離が開き、関係が壊れてしまうこともあるのです。パートナーとの絆を深め、心をひとつにして治療を進めていくためにはやはり「コミュニケーション」が欠かせません。親になるということについて、また、治療はどこまで進めたいのか、子育てはどのようにしていきたいのかなど、新しい人生のステージに向けた話し合いを深めていくことはとても大切です。1人で抱え込まず、お互いに素直な気持ちを伝え合える環境づくりにも取り組みましょう。 不妊治療を受けるという決断「不妊」という診断が下ると、心に深い傷を受けてしまいます。不妊の原因は分からないことも多いのですが、にも関わらず「自分の何がいけなかったのだろう」という原因探しをしてしまったり、妊娠したいけれどなかなかできないということで、自分を責めてしまったり。妊娠している人と比較して、自分には価値がないと卑下してしまうこともあります。そんなとき、ほんの半世紀前までなら不妊治療という選択肢はありませんでしたが、医療が進歩した現在、妊娠の願いを叶えるさまざまな方法があります。不妊の診断を受け、辛い思いをしたけれど「それでもやっぱり妊娠したい」と希望する場合は、クリニック選びが重要です。どのような方法があるのか、メリットとデメリット、成功率や治療費用をしっかりと比較検討し、心から信頼できるクリニックを選ぶことは、そのあとに続く治療のプロセスでの心の負担を軽減してくれます。また時には、不妊治療に対する漠然とした思い込みによってストレスが強まっていることもあります。そのような場合には、クリニックや不妊治療のカウンセリングを行うプロのサポートを受け、ぎゅっと抱えている思い込みを1つずつほぐしてもらうことでストレスが大幅に軽減され、不妊という診断や、不妊治療という選択を前向きに捉えられるようになります。 不妊治療中にカップルが向き合う感情の変化繰り返しになりますが、自らの不妊と向き合ったとき、これまで当然だと思っていたことが自分にはできないという無力感、不安、罪悪感、悔しさ、フラストレーションを抱えてしまうカップルは、少なくありません。このような場合、治療の経験者など信頼して話をできる人が身近なところにいるだけで、居心地の悪い気持ちが和らぎ、感情のコントロールがしやすくなるものです。不妊治療というステップに進むことによって、性生活や交友関係に影響がでることもあります。例えば、妊娠中の友人や子どものいる友人と疎遠になってしまったり、セックスの目的が妊活だけになってしまう、あるいは治療中であることが響いてセックスレスになってしまう、などです。また、妊娠しているかどうかが分かるまでの期間は、期待と不安で胸がいっぱいになります。結果がポジティブなものであれば最高の幸せが得られる一方、残念ながらうまくいかなかった場合には「治療をしても良い結果が出ない…」「妊娠なんてできないんだ…」「妊娠できない私は女性として不十分なんだ…」というような自責の思いや、自ら不安や罪悪感を煽ってしまうような言葉が、心の中に溢れてしまうもの。ですから、妊娠判定でネガティブな結果が出てしまった場合には、とりわけ心のサポートが大切です。パートナーが「また次頑張ればいいよ」と気楽に構えていたり、すでに子どもを持つ友人から「次はきっといい結果が出るよ」と励ましの言葉をかけられたりすると、「誰も私の気持ちを分かってくれない」と悩んでしまうこともあるでしょう。そのようなときに、心のケアのプロフェッショナルであり、パートナーでも友人でもないカウンセラーという第三者の存在は、中立的な立場ながらしっかり寄り添って話を聞いてくれる重要な心の拠りどころとなります。 治療プロセスでのカウンセラーという存在の重要性最新の研究によると、不妊治療によるストレスや苦しみは、がん患者のそれにとても近いということが明らかになっています。不妊治療に対しての世間の理解がまだまだ乏しいため身近な人にも打ち明けられなかったり、仕事がある場合は両立のストレスを感じる場面もあるかと思います。また日本では社会にカウンセリングがまだまだ浸透していないため、せっかくカウンセリングの体制が整っていても、「カウンセリングは心の病をケアするもの」という認識から、活用を尻込みする方も少なくありません。ですがカウンセリングは、あなたが弱いから受けるものでも、あなたに自分で解決する力がないから受けるものでもありません。これまでお話したとおり、治療中は感情のジェットコースターに乗っているような状態なわけですが、カウンセラーというプロが入ることで、誰にも意見されることなく内側に抱えている感情を出したり、必要のない思い込みを手放したり、相談を通じて気持ちを整理していくことができるのです。心のケアを考えることは、きちんとセルフケアができている証でもあります。不妊という現実に向き合い治療を進めていく過程は、それだけでも険しい道のりに感じられるもの。全て1人で抱えようとしなくて良いのです。クリニック選びの際には、カウンセリングのサポートの有無や、必要な場合には紹介してもらうことができるのかといった点も、ぜひリサーチしてみてくださいね。 ニチケ・マルクス(Markus Nitzschke)先生 生殖補助医療専門医・産婦人科医。世界各国のクリニックでの経験を経て、現在は各所のクリニックと提携しながら国際的な活動を展開。特に卵子提供を伴う体外受精を行う。≫ Instituto de Reproducción CEFER(Amrita Fertility Japan提携クリニック)
2020.2.7
インタビュー 不妊治療