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【10月は乳がん月間】乳がんは恐い? 知っておきたい検診方法と治療

まとめ 女性の健康

【10月は乳がん月間】乳がんは恐い? 知っておきたい検診方法と治療

毎年10月は「乳がん月間」です。乳がんは早期発見と治療が大切といわれます。検診や治療の内容についてご紹介します。

2018.9.27

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有名人の公表などで女性の病気としては知名度の高い乳がん。しかし、乳がん検診の受診率はまだまだ高くはないようです。


 


女性であれば年代を問わずかかる可能性のある乳がんは、治療の研究が進んだ病気でもあります。


妊娠・出産に深い関わりのある乳房の病気のため、妊活にも影響をおよぼす乳がんの治療や検診の方法について、きちんと知識をもって検診に出かけてみませんか?


早期発見が大切! 病状ごとの10年生存率


現在、乳がんは決して珍しい病気ではなくなりつつあります。また、若い女性から高齢の方まで、かかる可能性があるといわれています。早期発見の重要性がよくいわれますが、早期発見・治療と10年後の生存率はどう関係しているのでしょうか?


 


“乳がんにかかる人は多くなっている傾向にあり、今や「電車で隣に座っている人が乳がんだった」というくらいの頻度で増えています。 増えてはいますが、早期発見であれば治る確率、10年後の生存率はとても高いのが乳がんの特徴です。


 


がんが発生した乳腺内にだけがん細胞がみられる「ステージ0期」の場合の10年生存率は95%以上です。


 


しこりが2cm以下でわきの下のリンパ節に転移がみられない「ステージⅠ期」でも10年生存率は89%です。 ステージ0期、Ⅰ期のように、がん細胞が乳房の局所だけにとどまっている時に治療を始めれば、乳がんで命を落とす危険は極めて低いといえます。


 


しこりが2cm以上や、2cm以下でもわきの下のリンパ節に転移があるのが「ステージⅡ」は78%、しこりの大きさが5.1cm以上でわきの下のリンパ節に転移がある、もしくはしこりの大きさは関係なくわきの下のリンパや鎖骨などに転移がある「ステージⅢ」だと約50%になります。


 


しこりの大きさは問わず乳房から離れた臓器に転移がある「ステージⅣ」になると約25%と、ステージが進むにつれて10年生存率はどうしても低くなります。 そのため、がんを早い段階で診断し、早めに治療することが大切です。”



“乳がんと言ってもさまざまな性質があります。また、乳がんになる方のライフスタイルによっても、治療で優先されることが変わってきます。まさに個別化医療が乳がんの治療の分野では進んでおり、治療方法も多様化しています。”


■乳がんで手術を受けた後はどうなる? 治療法と再発のリスクについて



乳がん検診の方法はさまざま


さて、一口に乳がん検診を受けるといっても、検診方法は複数あります。自分に合った検診方法はどんなものなのかを知っておくことも重要なポイントのようです。


 


“「乳がん検診」には、対策型がん検診と任意型がん検診があることを知っておきましょう。


 


●対策型がん検診


死亡率を下げることを目的に公共政策として行う検診。自治体や企業検診になる。無料あるいは少額の自己負担ですむ。国の政策として、40~60歳の女性を対象として、5年ごとに無料クーポン券を配布。40歳から2年ごとに検診を実施する自治体もある。検査はマンモグラフィ(乳房X線撮影検査)と触診。


 


●任意型がん検診


対策型がん検診以外のもので、個人の意志で行う個別検診。検診機関や医療機関で行う人間ドックなどになる。全額自己負担。マンモグラフィ、エコー(超音波検査)、コストはかかるが、МRI検査やCT検査の画像検査、PET検査などがある。”


 


“20歳から2年に1度、25歳からは1年に1度、また自治体の検診対象外である30代の女性も、「任意型がん検診」で乳房のエコー検査を毎年必ず受けることをおすすめします。


 


乳がんの早期発見には、一般的にマンモグラフィ検診が有効と言われています。しかし、マンモグラフィの場合、乳房の脂肪もがんも黒く写るので、がんとの判別がしづらいのが現状です。これは個人的な見解ですが、正確な結果を知りたいと思うのであれば、自己負担になってしまいますが、40歳以下であればエコー検査だけにするか、もしくはマンモグラフィとエコー検査を合わせて受けることをおすすめします。”



“日本は無料で乳がん検診を受けられるのに、検診率は40%前後と先進国で最低レベル。40歳以上の女性がこの程度なので、20~30代の女性の意識はもっと低いです。ちなみにエコー検査は1回4000~7000円。(中略)いま何をすべきかをしっかりと考え、実行できる女性になりましょう。”


■乳がん検診の重要性を理解していますか?



乳がんが見つかった時の治療法


検診でもしも乳がんが発見された場合には、その状態やタイプによって治療方法は異なってくるようです。


 


“乳がんの治療は、他の臓器のがんと違って「個別化治療」が確立しています。乳がんのなかでも、どのタイプのがんであるかにより治療方法が異なってきます。まずは、発見のタイミングの違い。がんの進行度により「早期がん」「進行がん」の2つに分けられます。特に早期がんの中でも「非浸潤がん」は、がん細胞がまだ乳房の中の乳管、あるいは小葉の中の基本構造(基底膜)にとどまっている場合で、ステージでいうと0期。ここで発見できれば、転移の可能性がない状態であるため腫瘍を手術で切除するのみで、治療が完結し後々の薬物治療などは不要になることがほとんどです。そしてがん細胞が基底膜を超えた浸潤がんではあるものの腫瘍の大きさが2センチ以下でしかもリンパ節転移がない状態が1期。ここまでが早期がんと呼ばれます。0期と1期の場合、治癒する可能性は95%以上です。腫瘍の大きさが2センチを超えわきの下のリンパ節への転移などが加わってくると、ステージ2期以上の進行がんという段階になります。この場合は、がん細胞がリンパや血管などに入り込み、全身の流れに乗っている可能性があるため、肝臓や肺骨などのほかの臓器へがんが波及する可能性(転移の可能性)が出てきます。したがって乳房の手術だけでなく、手術と組み合わせて、転移や再発を予防するため、あるいは治療するために全身的な薬物治療の組み合わせが必要となります。”


 


“乳がんにおいて次に区別されるのが、女性ホルモンががん細胞の成長を促しているか、またはそうでないかです。女性ホルモンが関係している場合(女性ホルモン受容体陽性)には、全身治療は主に女性ホルモンを抑えるための治療になり、そうでない場合(女性ホルモン受容体陰性)は主に抗がん剤を使用することになります。よく、他の人の治療例を聞いたり読んだりして、自分の乳がんと治療が違う…と疑問を持たれる方がいるのですが、がんのタイプの違いでそれに効果のある治療が全く変わってくるため、同じ乳がんといっても人により治療が異なるのです。”



“乳がんは発見が早ければ早いほど、治療の選択肢が多いがんです。逆に早く見つけないと、せっかくあった選択肢が限られてしまいます。早期の発見をするために、乳がん検診は年に1回必ず受けることを習慣にしましょう。”


■「乳がん」-進む個別化治療を知っておこう



もしも妊活中に乳がんが見つかったら?


妊活中の方は、不妊治療中に乳がんが見つかる不安もあるのではないでしょうか。治療と妊活は、期間をずらしたり、医師と相談して採卵などを早く行える場合もあるとされます。


 


“まず、不妊治療はいったん中断して、がんをきちんと治すための行動をとることが大事です。


 


自分のがんについて正確に知りましょう。乳がんと一言にいっても、がんの大きさや広がりなどの進行具合や、ホルモン剤が効くのか、効かないのか、がん細胞の種類によって、病状はさまざまです。


 


そこで、検査で詳しい病状がわかったら、担当医と治療計画を早めに決めましょう。適切な治療を行えば、進行がんでも治ることが多いと言われています。”


 


“現在主流となっている乳がんの治療は集学的治療というものです。これは、「手術・薬物・放射線」の中から患者さんに最善の治療を選び、組み合わせて計画をつくります。手術や薬物はそれぞれ何種類もあるので、治療計画は一人ひとり異なるのです(➡コラム2)。


 


さらに、がん以外に病気はないか、患者さんの希望はなにかを考慮します。この時「治療後は妊娠したい」という希望を担当医師にきちんと伝えましょう。ひと昔前は、乳がんになると「妊娠はあきらめるべき」という風潮があって、医師はそれについてまったく触れず、不安を抱えたり、納得できないまま治療する患者さんもいました。 どんな治療を選ぶにしても、将来ふり返ってみて「あのとき最善の治療を選択した」と思えるように、ご自身がしっかりと納得することが大事です。”


 


“治療後には妊娠の可能性もありますが、患者さんの状況(治療後の年齢や卵巣の状態、治療内容など)によって確率は変わります。


 


妊娠ができなくなる原因は、薬物療法で使用する薬剤が卵巣に与える損傷です。なかでも抗がん剤は卵巣に直接ダメージを与え、治療中は月経が止まります。ホルモン剤は直接卵巣にダメージを与えることはありませんが、治療期間が5~10年と長くなり、月経が回復しないまま閉経になることも少なくありません


 


しかし薬物療法には、転移や再発の予防、乳房を温存するためにがんを小さくする目的があって、約8割の患者さんが行う避けられない治療です。


 


そこで最近は、妊娠の能力を温存する治療が注目されています。これは、がんの治療前に卵子を採卵して、精子と受精させた受精卵を凍結保存しておき、治療後に子宮内に移植し、妊娠へとつなげるものです。この治療を受けるには、パートナーがいることが条件になります。パートナーがいない人は未受精卵や卵巣組織を凍結する保存がありますが、まだ試験段階です。”


 


“現実的には、がん治療と生殖医療は別々の病院で行うことになるでしょう。


 


乳がんの治療は乳腺外科、放射線科、化学療法科、腫瘍内科、形成外科などの複数の診療科で行われるので、各科の連携がとれるがん専門病院や拠点病院を選ぶとよいと思います。”



"患者数と羅患率が高い乳がんは、女性にとって他人ごとではありません。早期発見できれば完治できる可能性が高い病気なので、妊活中こそ定期検診は重要だと考えられます。"


■妊活中の乳がん治療はどうする?



いかがでしたか? 忙しかったり、検査に抵抗があったりして乳がん検診を先延ばしにしている方は少なくないようです。今の健康を保つためにも、年に1回の乳がん検診を受けるようにしたいですね。



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