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自然周期の移植

専門医Q&A 女性の健康

自然周期の移植

2013.11.30

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こまめさん(38歳)

初めての顕微授精でホルモン補充療法で妊娠、出来たんですけど、9週で稽留流産で、2か月目に自然周期で5日目の凍結杯で戻して、判定日まで、薬も、注射もなく、胚戻す前に、ホルモン検査して、ホルモン以上ないから、何もしなくていいから、判定日にいくだけで、結果だめでした。すぐ、また同じ方法で、胚戻してから、何もしてなくて、結果待ちなんですけど、胚戻してから、薬も、注射もなく、妊娠、できるか心配で、この治療法で大丈夫ですか?教えて下さい。


お話を伺った先生のご紹介

宮崎和典 先生 (うめだファティリティークリニック)


不妊でお悩みの方のお役に立ちたい…

不妊治療に長い間、携わっています。当初から多くの先進的な事に取り組んできましたが、その結果が近畿でいち早く体外受精、顕微授精、胚凍結保存の成功につながったものと思っています。この領域は、新しい分野、領域ですので様々な新説が出てきます。その中には、あまり信馮性のない説が流行ったりすることもありましたが、それらは長続きせず、省みられることもなく消えて行く運命にあります。
不妊治療は、日進月歩と言われますが、あまり目先のブームに追われず、何が理論的に正しいかを良く考え、臨床に生かして行きたいと思っています。
最近の患者様は、ネット等を通していろいろな情報を手に入れています。知識を得ることは大変大切なことだと思いますが、必ずしも確実ではない事を一時のブームで盲目的に信じ込むことは逆効果だとは思いませんか?

当院では、確実な事を確実に実行して行くというポリシーに沿って治療に当たっていきたいと思っています。その結果が、患者様の幸せに繋がり福音となることを願っています。

■略歴■
大阪医科大学医学部卒業(医学博士)、同大学産科婦人科講師を経て、当クリニック開業(1992年開業)、日本生殖医学会評議員、日本受精・着床学会評議員、日本産婦人科マイクロサージェリー学会評議員



≫ うめだファティリティークリニック

 自然周期とホルモン補充周期における胚移植の妊娠率ですが、当院の成績で見る限りほとんど同じです。ただし、自然周期で胚移植を行うには、ある程度、月経周期がきちんとあることが前提条件ではありますが。月経が40日周期というような方はやはりタイミングを逃しやすいですし、ホルモンの状態があまりよくないので難しいと思います。こまめさんは30日周期ということなので、正常の範囲内と考えて、自然周期の移植でもいいのではないでしょうか。

 ホルモン補充周期の最大のメリットは、胚移植までの日程に融通がきくことです。自然周期は排卵した日がわかれば、胚移植をする日が必然的に決まってきますので、その日に仕事や用事があっても移植日を変更できません。その点、ホルモン補充周期だと薬でコントロールできるので、スケジュールが立てやすいのです。

 一方、自然周期のメリットは、毎日、ホルモン剤を内服したり貼付したりする必要がないこと。当院では胚移植の日だけhCGの注射をしますが、それ以外に薬剤の投与は行いません。ホルモン補充周期はエストロジェンもプロゲステロンも両方のホルモン剤が必要で、妊娠した後も8〜10週間は投与が必要だから、やはりそれだけ費用もかかるし患者さんの負担になりますよね。

 たとえば、お子さんがいらっしゃって通院が大変という方なんかは、自然周期にされると通院回数が少なくて済みます。ホルモン補充周期による胚移植がメインという施設も多いですが、事情に応じて選択されたらいいと思います。
 


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