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子宮腺筋症はどんな病気?

インタビュー 女性の病気

子宮腺筋症はどんな病気?

成人女性の5人に1人が発症している子宮腺筋症。誰でも起こりうるこの病気について永井産婦人科病院の永井 晶子先生に伺いました。

2019.2.20

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成人女性の5人に1人が発症している子宮腺筋症ですが、原因や治療法などまだ知られていないことが多くあります。誰でも起こりうるこの病気について永井産婦人科病院 理事長の永井 晶子先生に伺いました。


子宮内膜が筋層に入り肥厚化。かかる可能性は誰にでもあり!




子宮には、受精した卵を迎え入れて赤ちゃんになるよう育てる子宮内膜という部分があります。いわば「赤ちゃんに育てるためのベッド」のような役割をする部分です。生理周期にあわせて少しずつ厚さが増しますが、受精卵が子宮内にやってこないとわかるとはがれ落ち、生理として体外へ排出します。


この内膜が子宮内膜の外側を覆っている子宮筋層になんらかの理由で入り込み、子宮全体が肥厚したり腫れたりするのが子宮腺筋症です。


「特定の人がかかる病気」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、閉経前の成人女性なら誰でもかかりうる病気です。
また、人によっては子宮内に筋肉の瘤(こぶ)ができる子宮筋腫を併発していることもあります。


 


重い生理痛や生理過多が主な症状。不妊の原因になることも


子宮腺筋症で一番多い自覚症状が重い生理痛です。そのほか、生理過多、それにともなう貧血も多い症状です。また、不妊の検査に来て子宮の様子を診察してもらったら子宮腺筋症だったという方もいらっしゃいます。


子宮腺筋症なのかどうかは、経腟超音波とMRIで子宮の様子をチェックすることで判明します。


 


症状の程度や将来的な妊娠希望の有無などにより治療法は異なる


今は子宮腺筋症の治療法はさまざまなものがあります。
いくつか例をあげてご紹介します。


【ピル】
ピルは避妊目的だけではなく、子宮の厚みが減ってくるので、
服用することで乱れた生理周期が安定し、肥厚化して腫れた子宮をすこやかな状態にリセットできます。生理痛や生理過多の緩和につながることが期待できます。


【漢方】
「ピルを服用するのにはちょっと抵抗がある」という患者さんには、骨盤まわりの循環を良くする漢方を処方するケースがあります。
おなか周辺の血のめぐりをよくすることで生理痛が緩和されます。


【黄体ホルモン剤(ジエノゲスト)】
卵巣機能を抑え、結果的に子宮内膜の厚みを抑える薬剤で、子宮内膜症の治療に使われています。


【黄体ホルモンを放出する器具の挿入】
黄体ホルモンを持続的に放出する小さな器具(一般的に避妊リングといわれているもの)を子宮内に挿入。子宮内膜が厚くなるのを抑制し、生理痛や生理過多を緩和させる方法です。柔らかい樹脂製なので、挿入時の痛みはほとんどなく、5年間挿入しておくことが可能です。


【手術で子宮を摘出】
将来的に妊娠を希望されない方で、ご自身が納得されている場合や、血栓症のリスクが高くてピルが服用できない、どうしてもピルを服用することに抵抗感があるなどの場合には、手術で子宮を摘出するという方法もあります。


症状の程度や妊娠希望の有無など、ご自身の考えによってさまざまな選択肢があるので、かかりつけの婦人科医と相談して自分に合った治療法を選ぶようにしましょう。


 


子宮腺筋症があっても妊娠は可能


子宮腺筋症であっても本人に自覚症状がない場合もあり、普通に妊娠、出産される方もいらっしゃいます。


実際に、子宮腺筋症と知らずに妊娠してたまたま帝王切開で出産することになり、おなかを切ってみたら子宮腺筋症だったというケースもあります。


ただ、子宮腺筋症によって子宮全体が腫れてしまい、着床しづらくなっていることもあるので、子作りをはじめて1年たっても妊娠しない場合は、不妊全般の検査を受けてみてください。子宮腺筋症に限らず不妊の原因が見つかる可能性があります。


 


毎月おなかが痛い、つらい場合は一度病院へ相談を


前にも述べたように子宮腺筋症の自覚症状で一番多いのが生理痛です。


初潮から間もない10代の頃は子宮が未熟なために生理のためにおなか周りが痛くなるのはよくあることです。ただし、20代に入っても生理のたびにおなかが痛くなるのには、なんらかの病気が隠れていることがあります。


「生理の時は痛みで普段通りの生活ができなくなる」、「痛み止めが効かなくなってきた」、「ショーツの替えを持ち歩くほどいつも生理の量が多い」などの症状がある場合は、一度婦人科を受診し、きちんと自分の体をチェックしておきましょう。


また、受診する際には、あらかじめ「一番最近の生理の期間と、生理の量、生理周期」「いつ頃から痛みや生理過多に悩んでいるか」「毎回痛み止めを服用しているか」「ピルの服用経験」「自分の希望(妊娠希望など)」をまとめて医師に伝えられるように準備しておくと、診療時間を有意義に使うことができます。


 


永井先生より まとめ


薬などで症状を抑えながら上手に病気とつきあって


子宮腺筋症は、子宮内膜がなんらかの理由で子宮筋層に入り込み、肥厚して子宮全体が腫れたりする病気です。主な症状として生理痛や生理過多、貧血などがあります。完全に治すのは難しい病気ですが、薬などを使って症状を抑える、遅らせるなどして上手につきあっていくことが大切です。


今はさまざまな治療方法を選択できるので、「毎月つらいけれど、生理だから仕方がない」と、ご自身だけで悩まずに婦人科を受診しましょう。そして医師と相談のうえ、ご自身が納得できる治療法を選択してくださいね。


 


お話を伺った先生のご紹介

永井 晶子先生(永井産婦人科病院 理事長)



日本大学医学部を卒業後、杏林大学附属病院、青梅市立総合病院、立川共済病院、武蔵野赤十字病院、国立京都病院を経て、現在、五葉会理事長、2010年4月より当院院長に就任。2017年2月より当院理事長に就任。

文学部卒という肩書をあわせ持ち、さまざまな分野に精通、チャレンジし続ける永井先生。その魅力にひかれて妊娠、出産時はもちろん、健康維持のために通い続ける患者さんも多いという。


≫ 永井産婦人科病院

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