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【Q&A】二人目不妊で連続流産、今後の治療・不育症検査についてー浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】二人目不妊で連続流産、今後の治療・不育症検査についてー浅田先生

Q&Aサービスにていただいた相談、第1弾です。
2回連続で7週目の稽留流産。今後の治療法、不育症の検査を受けた方が良いかどうか、浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2019.6.18

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相談者:かなこさん(34歳)



二人目不妊治療中です。一人目は現在3歳、一人目も治療しゴナールエフ自己注射での排卵誘発でタイミング法で妊娠しました。
二人目の治療を始めたのが1年3カ月前です。治療開始後、5カ月で妊娠も7週で心拍確認前に繋留流産、2か月後に治療を再開し5カ月後に妊娠も、また7週で心拍確認前に繋留流産してしまいました。
この間の治療は、セキソビットを10日間服用して卵胞を大きくし、ゴナトロピン注射で排卵、タイミングの流れです。
2回連続同じ時期での流産で、かなり落ち込んでいます。


2点質問です。
・今後の治療は同じ方法でよいのか、ステップアップは不要か
・不育症の検査を受けた方がよいか


ちなみに、1回流産後に治療をしている際に、主人が突然EDになってしまい、タイミングはシリンジ法で行っています。シリンジ法2周期目で妊娠しました。




今のままの治療法で良いですか?




AMHの値を測定されていませんが、元々無月経で、月経周期が不規則ということなので、重症な排卵障害で多嚢胞性卵巣症候群だと思われます。 経口の内服剤でなかなか効きがよくないので、ゴナールエフを注射することになったのかと思います。普段は自力での排卵ができないですが、排卵さえすれば他の条件に問題はないため一人目は簡単に妊娠、出産に至ったのだと思います。 多嚢胞性卵巣症候群はすぐに完治するものではなく、排卵しにくい体質は変わらないため排卵誘発中心の治療をされ、不妊治療の選択としては何も問題がないと思います。

現在はシンリンジ法で治療をされているそうですが、シリンジ法は原始的な方法ですので、人工授精にステップアップしても良いと思います。人工授精は精子の数をカウントして、安全で清潔な操作をしますので、より効果は高くなると思います。


 


流産について、先生の見解は?


卵はかなこさんが生まれる前に作られ、卵巣の中で約34年間保存され、それが順番に育っています。命の短い動物などと比べて人の場合、受精卵が赤ちゃんまで育つ確率は非常に低いです。

妊娠発覚前までに受精卵が育たなければ“妊娠しない”という結果になりますし、妊娠が発覚しても成長が止まれば“流産”という結果になります。流産を繰り返されていますが、着床しにくい、妊娠が継続しにくいという要素があり流産しているわけではなく、すでにお子様も一人いらっしゃるし、3回も妊娠しているので疾患が原因とは考えにくいです。ただ、2回流産して落ち込まれている、ということですが、流産の考え方が一番かなこさん自身を苦しめているのではないかと思います。 


2016年に発表されたある論文では34歳位で出産に至るまでには十数個の卵子が必要だというデータもあります。成熟卵であれば7~8割は受精しますが、赤ちゃんまで成長する受精卵は十数個に1個というのが実際の科学的データです。卵子が受精した後、本来の自然淘汰があり多くの受精卵は育たないという仕組みになっていて、その多くの原因は染色体異常やその他の異常です。流産は、30歳以下であれば15%程度の確率ですが、35歳になると一回の妊娠で約35% の確率で流産しますし、40歳では約50%、44~45歳になれば90%以上が卵子の老化が原因により流産しています。

ですから、何も悲観することなく、今の治療を続けていけば大丈夫だと思います。
卵子、受精卵の正しい知識を身に着けて、正しい流産の知識を持ってください。不用意に悩み、恐れたりせず、悩むにしても正しく悩んでほしいと思います。


 


不育症の検査は必要ですか?


一般的に流産を繰り返す人に対して、流産を有効に防ぐ方法はありません。今のところ、流産を繰り返す原因とはっきり分かっている疾患は抗りん脂質抗体症候群という特殊な疾患のみです。甲状腺異常や子宮奇形等も流産の原因と言われていますが、そのような異常があれば一人目で把握されていると思いますので、何も悩む必要はなく、不育症の検査も不要だと思います。


 


旦那さんのEDについて


ご主人が突然EDになられたそうですが、男性は色々考えすぎるとEDになる可能性が高くなります。
本来、セックスは大脳が働かない本能的なものですので、色々考えてセックスをしてしまうと男性はEDになってしまいます。しかし、そのような精神的なEDは妊娠すればすぐに治るでしょう。


 


お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック


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