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【Q&A】DHEA服薬を止めてから -浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】DHEA服薬を止めてから -浅田先生

テストステロンをあびた子どもは自閉症になりやすいと聞き不安です。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.8.21

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相談者:ポポロンさん(40歳)



DHEA服薬を止めてから
不妊治療でDHEAを3ヶ月(1日50ミリグラム)服薬し、採卵移植をしました
無事妊娠して現在4ヶ月です
服薬を止めてから1ヶ月後に移植したのですが、最近読んだ記事に、妊娠初期にテストステロンをあびた子どもは自閉症になりやすいと聞き不安に思ってます
確かDHEAはテストステロンを増やしますよね?
移植前に服薬をやめたとしてもしばらくは効果が残っていると思います
飲むのを止めてからどれぐらいの日数で元々の数値に戻るのでしょうか?



浅田先生からの回答




DHEAを服用して妊娠したため、お子さんが自閉症になりやすいのではないかと心配されているということですが、結論から言えば、心配する必要はないと思います。

DHEAは、デヒドロエピアンドロステロンという男性ホルモンと女性ホルモンの前駆体です。これは、アンチエイジングのサプリメントとして米国では非常に簡単に入手できるものですから、長期間服用しても影響はないと言えます。1日50mgを服用されていたということですが、これは少ない量だと思います。もともと、DHEAはホルモン剤のため、そのまま体内で代謝され、長期間体内に残るわけではありません。ポポロンさんが1日に500mgや5,000mgのDHEAを長期にわたり服用されていれば別ですが、通常のサプリメントの容量を3ヶ月服用しても、その程度では自閉症の児が生まれるとは思えません。

“テストステロンをあびた子供は自閉症になりやすい”という記事についてですが、私は最近の科学的論文で見たことがありません。自閉症というと、社会生活や日常生活を送るうえで困難や不便をきたす、というイメージをお持ちかもしれませんが、しばらく前から“自閉症スペクトラム”ということで、様々な発達障害を含めた広義の概念となっており、このような診断基準の変化により、自閉症と診断される人の数も増加しています。かつて、「体外受精や顕微授精で自閉症スペクトラムの児が多くなる」等、様々なことが言われてきましたが、現在そのようなはっきりとしたエビデンスはありません。ですから、“テストステロンをあびた子供は自閉症になりやすい”と言う記事も、信憑性を疑ってみる必要があります。

世の中には様々な記事や論文が発表されますが、それらのすべてが真実とは言えません。その後、数多くのデータが集積されて、はじめて真実となります。体外受精や顕微授精が世の中に出てきた当初、「異常のある児が生まれた」等、色々なことが言われました。しかし、体外受精、顕微授精で生まれる児が、数人から何十人、何百人、何百万人と増えるに従い、自然妊娠で生まれた児と変わらないことが分かりました。体外受精、顕微授精の技術により特有の障害が出る、というエビデンスもありません。

世の中に溢れる様々な情報に踊らされず、真実を見抜く力を養うことが大切なことだと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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