HOME > 不妊治療 > 男性不妊 > 【her story~あなたに伝えたいメッセージ】いつかこの公園で赤ちゃんと散歩する日を夢見て…
HOME > 不妊治療 > 男性不妊 > 【her story~あなたに伝えたいメッセージ】いつかこの公園で赤ちゃんと散歩する日を夢見て…

【her story~あなたに伝えたいメッセージ】いつかこの公園で赤ちゃんと散歩する日を夢見て…

インタビュー 不妊治療

【her story~あなたに伝えたいメッセージ】いつかこの公園で赤ちゃんと散歩する日を夢見て…

38歳という自分の年齢と主人の男性不妊。
激動の半年間でも、前を向いて進みたい。

2020.11.24

あとで読む

自分には不妊の要因がなくても、男性側に原因があることが、最近では珍しくなくなってきています。
結婚後すぐにご主人の「精索静脈瘤」がわかったご夫婦。
その発覚から術後の経過を語っていただきました。


まさかの男性不妊。 すぐに手術に踏み切った冬。


空が高くなり始めた初秋。子どもたちが大勢遊ぶ、とある公園で取材に応じてくれたY.Aさん。昨年同い年のご主人と結婚されたばかりで、現在38歳になります。

ご主人ともにきょうだいのいる環境で育ち、Y.Aさんも30代後半の結婚だったため、「子どもはできるだけ早く授かるといいね」と二人で話していたといいます。言葉には出さずとも、ご主人のご両親の会話のはしばしからも、孫が欲しい様子が伺われたそうです。そのため、某クリニックでブライダルチェックも受け、着々と準備を進めていました。

ところが数回のタイミングにトライしても妊娠しない…。Y.Aさんは、ご主人にもクリニックで検査を受けてもらうようお願いしたそうです。あまり乗り気でないご主人を説得し、男性不妊にも対応してくれるクリニックを訪れました。検査の結果わかったのは「精索静脈瘤」。精巣周辺の陰嚢部に、静脈瘤があり、乏精子症や精子運動率の低下につながるもので、いわゆる「男性不妊」の原因のひとつとされています。実は男性の約15%に認められていますが、妊娠を望まなければ、なかなかわからない疾患でもあります。しかし、子どもを望むY.Aさん夫婦にとっては大きな問題です。夫婦で話し合い、ご主人は手術を受けることにしました。

「術後は半年くらいかけて、数値が上がる可能性があります」という医師の言葉で、時期を待って徐々に治療を再開することにしました。


 


「どうせ僕はダメな人間だ…」 ご主人の言葉に我に返った日


今年2月にご主人の手術が終わったあとに、コロナウイルス感染が広がりました。「正直言って通院することに戸惑いはありました。けれど、ようやくスタート地点に着いて、しかも私もそう若くありません。ひと月ひと月が大切だと思って、コロナのことは考えず治療を始めました」。

Y.Aさん夫婦が訪れたのは、不妊治療を専門としている自宅からも通いやすいクリニック。院長先生をはじめ、どの先生も親身になって相談に乗ってくれて、最初に緊張していた気持ちもほぐれたそうです。まずは、不妊治療に関する説明会に夫婦で参加し、治療への知識を共有したそうです。

改めてY.Aさんも一般不妊治療検査を受けましたが、特に問題となる要因は見つかりませんでした。問題は、ご主人のほうが術後3カ月を経過しても、あまり良い数値が得られないということでした。そんななかでも、タイミング法から再開したご夫婦。やはり妊娠には至りません。

また生理がきてしまい、落ち込むY.Aさん。気持ちの持って行き場を失い、ご主人にあたってしまったことがありました。そんなY.Aさんを見てご主人が「どうせ俺はダメな人間だよ…」と一言。さらには「あなたのために離婚を考えてもいい」とも。つらさのどん底にいたY.Aさん自身も「主人じゃなかったら妊娠できたのかも…」そんな思いが頭をよぎってしまったこともありました。しかし、ご主人から放たれた言葉に、言ってはいけない、考えてはいけないことをしてしまったと我に返ったそうです。

改めて二人で話し合いを重ね、「自分たちは今できることを、期限を決めずに頑張ってみよう」と誓い合ったそうです。つらい気持ちを紛らわせるため、二人で温泉旅行に行ったり、眺めの良いカフェに行ったり、気分転換もするようになりました。
不妊症や不育症を乗り超えて無事に妊娠したというお友だちのアドバイスもY.Aさんの励みになるそうです。「コロナのため、なかなか会えませんが、メールなどでよく相談に乗ってもらっています。経験者のアドバイスは何より参考になりますね」。


 


クリニックのすすめで すぐに顕微授精をスタート


その後、さらにご主人の精液検査の経過を見るものの、なかなか良い結果が出ないことから、クリニックで顕微授精をすすめられます。ご夫婦は迷わずステップアップを決断したそうです。筋肉注射に服薬…思った以上の副作用がありましたが、「妊娠」という目標があればこそ乗り越えられました。

先日、初めての採卵を終えて10個の受精卵ができたそう。そのうちグレードの良かった3個を凍結して、いよいよこれからはじめての移植に臨むそうです。

もともと体調を崩して休職中だったY.Aさん。不妊治療と重なったこともあり、自身とご主人の健康管理もしっかりするようになりました。栄養管理の勉強もしていたので、体を温める食品を摂るようにしたり、気分転換にお菓子を作ってみたり…。実は結婚前100㎏あったご主人も、お酒を控えて健康的な食事をすることで、今は70kgになったそう。「周りにはあまりにも痩せたので心配されてますけど(笑)、前に比べれば健康的になったと思います。主人は私とは逆で精巣をはじめ体を温めすぎないように注意してもらっています」。

結婚して約1年。まさかの男性不妊にコロナ…などいろいろな課題がご夫婦にのしかかりましたが、治療をきっかけに話し合いを重ね、ご夫婦の距離感も少しずつ縮んできたようです。「まだスタート時点ですが、今は前だけを見て、いつかこの公園に子どもと来られるささやかな幸せを夢見て頑張ります」。


 


 


あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top