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次の採卵でも変性卵だったらと思うととても不安です

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次の採卵でも変性卵だったらと思うととても不安です

2014.7.4

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相談者
kumiさん(34歳)
私は2回の異所性妊娠で両卵管を切除しているため、現在、体外受精を行っています。3年前に2回体外受精をして、2回目で妊娠しました。その時はどちらも受精卵のグレードは一番いいと言われました。でも、今回の体外受精では、採卵はできたのですが変性卵とのこと。医師には“古い殻”があったからじゃないかと言われましたが、次は前みたいにいい卵が採れるでしょうか?とても不安です。回答をよろしくお願いします。



ジネコ:変性卵はどんな時に生じるものですか?


藤野先生:体外受精においては、何より前周期からある程度のエストロゲンとプロゲステロンを補充したうえで卵巣機能をコントロールして採卵することが、質の良い受精卵を育てる秘訣ともいえます。kumiさんは「また次も変性卵?」と不安を感じていらっしゃるようですが、変性卵は何度もくり返すかというと、そういうものではありません。「古い殻」と表現されていますが、卵子の透明帯だけが残っていて、受精するべき卵子の細胞質がすでに死滅していたのかもしれません。卵巣には、以前の排卵周期に途中まで発育して、その後、閉鎖卵胞化してしまうものも多数残っています。そのような卵胞が今回の卵巣刺激で大きくなってきたものかもしれません。また、高温期のエストロゲンとプロゲステロンの分泌が不十分ですと、高温期の途中から中途半端な卵胞が大きくなってきたりします。このような場合、変性卵となってしまうかもしれません。前周期の高温期から、中用量ピルなどを使って高温期を14日くらいしっかりとつくり、卵巣のコンディションを整えてあげることが大切です。卵胞が育ち始めるのは月経が始まってからと皆さん解釈されているようですが、月経のリズムが乱れている方や、卵巣の機能が落ちている方というのは、前周期の高温期の半ばくらいから、すでに卵胞が育ってきている場合があるんですね。そこでエストロゲンやプロゲステロンを補いながら、LHやFSHの分泌を抑え込み、卵巣を整えた状態で、採卵に臨んだほうがいい。担当医のおっしゃった“古い殻”については、前周期の古い卵胞が残っていたことを、“古い殻”と表現されたのかなと思います。


ジネコ:排卵誘発の方法についてはいかがですか?


藤野先生:治療方針のところで気になったのは、月経の3日目からプ※レマリン®、5日目からクロミフェンを服用されているということ。プレマリン®は通常、FSHの値が高くて、卵巣の反応が悪い方によく処方される薬です。エストロゲンをあらかじめ補充しておくと、FSHの値が下がってきて、排卵誘発剤の効果が高まるので、年齢の高い方や、FSHの高い方に排卵誘発剤とエストロゲン製剤の併用を試みることがあります。ですから、30代でいきなりプレマリン®やクロミフェンから治療が始まっているのは、年齢の割にFSHの値が高め、あるいは排卵の周期に乱れがあるから、ということなのかなと。AMHやその他のホルモン値の記載がないので、なかなか内分泌、卵巣のコンディションを把握しづらいのですが、そこを治してからという担当医のご判断なのでしょう。変性卵だけが出てくるリスクを減らして、均質な前胞状卵胞がそろい、卵巣刺激に対して均等に大きくなってくるような状態をつくり出すことが必要ではないでしょうか。


ジネコ:今後の治療にアドバイスはありますか?


藤野先生:まだ年齢もお若いので、万全の準備をされて、卵巣刺激・採卵の準備をされれば、また良い卵子が採れる可能性は十分あると思います。2度の子宮外妊娠はつらい経験だったと思いますが、今後の治療の目標としては、スタートラインに立つ卵胞(前胞状卵胞)を均等な大きさにそろえることが大切。そのためにも前周期からしっかり卵巣をコントロールすることをすすめます。



藤野 祐司 先生
大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学部婦人科学教室講師を経て、1997年にクリニックを開業。現在、同大学で非常勤講師も務める。B型・おとめ座。絵画と同様、先生が大好きなのが写真。若い頃は自分の手で現像やプリントするほど凝ったこともあるそう。「のんびりした台湾の田舎の風景などが好きですね。いつか時間ができたら風景写真を撮りにゆっくり出かけたいな」。






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