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染色体異常なし

専門医Q&A 女性の健康

染色体異常なし

「夫婦で染色体異常なしと言う検査でもお互いの今持ってる卵子、精子に何か問題があるとかあり得るんですか?」

2017.8.23

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りんさん(26歳)


私はつい先ほど5回流産と診断されました。
1回目は23歳の時に胎嚢のみ確認しその後心拍確認出来ず7w辺りで稽留流産。
25歳の時に2回目の妊娠をしましたが1回目と同様。
同じ年に3回目の妊娠をしましたが1回目と同様。
3回目の流産でさすがにおかしいと思い不育症専門医院を受診し不育症検査をしたところ第12因子欠乏と言われ、バイアスピリンを妊活中に服用、生理が来たら辞めるというのを繰り返し今年3月に4回目の妊娠。高温期中旬からのみ続け5w辺りで胎嚢確認後、ヘパリン自己注射を開始しましたが7wでやはり胎嚢のみで繋留流産。
その後、夫婦染色体異常を疑い検査しましたが問題ありませんでした。
そして今年7月に5回目の妊娠。4回目同様で高温期中旬からバイアスピリンを服用4w6dで4.6ミリの胎嚢確認。5w4dでヘパリン開始するため見てもらうと胎嚢が確認できないと言われました。エコーを見る限り胞状奇胎の可能性があると言われ血中hcgを調べたところ7700。正常妊娠にしても胞状奇胎にしても低いと言われましたがエコーを見ても胞状奇胎の可能性が無いとは言えないと言われ、結局来週入院して一応流産手術という項目で手術することに。手術後に病理検査に出し胞状奇胎の有無を見て胞状奇胎の場合必要あれば2回目の手術があり得ることと、最低半年はhcg の計画をみていくと説明を受けました。
この歳で5回の流産、本当に辛いです。
私は5人姉妹の長女で母は5人子供を産んでいます。1つ下の妹は2人子供がいます。母にも妹にも何でお姉ちゃんだけ…と言われています。
調べることは調べて、やれることはやって結果がこれです。
もうどうしていいか分からず、この歳で5回も流産するなんてこのままずっと1人も授からないのではないかと不安です。
他に検査するような内容ありますか?
仮に今回の流産は胞状奇胎ではなくただの流産だったとして、染色体の検査で異常無いのにバイアスピリン、ヘパリン等の処置を行っていても2回とも赤ちゃん側の染色体異常ってことはありえますか?
夫婦で染色体異常なしと言う検査でもお互いの今持ってる卵子、精子に何か問題があるとかあり得るんですか?
ちなみにすべて自然妊娠です。
話しが長くなりましたが回答よろしくお願いします。




お話を伺った先生のご紹介

秋山芳晃 先生 (秋山レディースクリニック)


当院は1965年より産婦人科および小児科の診療を行い微力ながら地域医療に貢献すべく努力してまいりました。
2003年2月からは特に産婦人科診療に力を入れるためにレディースクリニック部門を開設いたしました。
月経痛・月経不順・性行為感染症・更年期障害・生活習慣病・婦人科がん検診などの従来行っていた診療はもちろんのこと、子宮内膜症・不妊症・不育症(習慣流産)などの領域に対しても専門的な知識や最新の技術を用いた診療を行っていきたいと思っております。
担当医は、東京慈恵会医科大学元講師。1987年に東京慈恵会医科大学を卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院・国立大蔵病院(現国立成育医療センター)などに勤務し、婦人科がんから周産期管理まで様々な臨床経験を積んでまいりました。また特に不妊症・不育症は専門分野として長年、研究や臨床にたずさわってまいりました。
このような経験を生かし、一人でも多くの患者様を救っていけるように努力してまいります。是非一度ご相談ください。
経歴
東京慈恵会医科大学元講師
1987年 東京慈恵会医科大学 卒業
東京慈恵会医科大学付属病院・国立大蔵病院(現国立成育医療センター)などに勤務
2003年秋山レディースクリニック 院長就任


≫ 秋山レディースクリニック




5回流産されているということですが、妊娠の約15%は自然流産で、うち50~70%が染色体異常によるものであるといわれています。最近の詳しい遺伝子検査を用いた研究では、流産の80%に微小な異常を含む染色体異常が認められたとされています。そして、受精卵の染色体異常の多くは偶発的に起こるもので、必ずしもご夫婦いずれかの染色体異常を受け継いで起こるものではありません(つまり、ご夫婦のいずれかに染色体異常がなくても起こる、ということです)。
 流産1回あたり80%の確率で染色体異常が起こったとすると、確率的には
●3回流産の場合 ( 0.8×0.8×0.8)×100=51.2 約51%
●5回流産の場合(0.8×0.8×0.8×0.8×0.8)×100=32.768 約32%
これが染色体異常によるものと考えることもできます。5回の流産がすべて染色体異常で起こってしまったということも決してまれではないのです。
 ただ、染色体異常による流産の確率は回数を重ねるごとに低くなるので、今回の流産が染色体異常で起こったとするならば、流産原因に対する治療(りんさんの場合、凝固XⅡ因子欠乏に対するアスピリン・ヘパリン療法)が適切に行われている限り、むしろ次回妊娠がうまくいく可能性は高くなっていると考えても良いと思います。
 いままでの流産で赤ちゃんの成分(絨毛)染色体検査をお受けになったかどうかがわからないのですが、「凝固XⅡ因子欠乏に対する治療の効果はあったが、偶然続けて受精卵に染色体異常があって流産してしまった」という可能性が十分考えられると思います。気になるようであれば、赤ちゃんの染色体検査が行われているか、ほかに受けられる検査はないのか、医師と相談してみると良いと思います。





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