HOME > 漢方・鍼灸 > 漢方薬の併用について
HOME > 漢方・鍼灸 > 漢方薬の併用について

漢方薬の併用について

専門医Q&A 漢方・鍼灸

漢方薬の併用について

2013.1.26

あとで読む

みっちさん(32歳)

はじめまして。
妊娠希望で貧血気味・冷え性なので
3か月前から当帰芍薬散を飲んでいるのですが、友人に婦宝当帰こうをおすすめされたのですが、この2つは併用して飲んでも大丈夫でしょうか?


お話を伺った先生のご紹介

古村滋子 先生 (漢方の健伸堂薬局)


今日の高度生殖医療の進歩はめざましく、今や「卵の核移植」まで進み、今後いかなる状況になるのかは未知の世界です。

その影で、高度生殖医療を受けながらも希望が叶えられず不安と焦りと苛立たしさを抱え、「もう漢方しかない」「最後に漢方でも」との思いを込めて漢方薬に一筋の光を求める方が多くおられます。

「漢方薬とはどういうものなのか?」「周期調節法とはどのようなものなのか?」「興味はあるが聞く機会がない!」との声を受け、当特集では、漢方薬を使った周期調節法をわかりやすくご紹介していきます。

鍼灸も含めた漢方を自分のライフワークと決めて40年。小さなミクロの世界から1つの生命体に進化して、この世に生まれてくる生命。その神秘の世界に感動しつつ、「新しい生命の誕生」に感涙する家族の姿に心打たれ、この仕事に携われる喜びを感じています。

赤ちゃんを授かりたいと願う方たちを応援する「命を繋ぐ」仕事を、皆様とともに築いていきたいと思います。



≫ 漢方の健伸堂薬局

『妊活』をしている人の中で、ほとんどの方が訴える「冷え」や「貧血」などの症状。
今回の相談者のみっちさんはそれに加えて子宮内膜症の既往歴がある、基礎体温表が乱れ気味など様々な症状をお持ちでいらっしゃいます。

一般的に冷えが進むと末梢の血液循環が悪くなり、血色が悪くなったり、生理痛がひどくなり月経血にレバー状の血塊が出たりなどの症状を引き起こします。それを中医学では“瘀血“と呼び、このような瘀血をお持ちの方は子宮筋腫、子宮内膜症などのトラブルを抱えている方が多く、注意する必要があります。

みっちさんの場合も、もともと子宮内膜症をお持ちでいらっしゃいましたので妊娠しやすい体質を作るためには子宮の血液循環を良くして冷えをとり、子宮環境を整える必要があります。
「当帰芍薬散」、「婦宝当帰膠」とも血液循環を良くし冷えを改善しますが、「婦宝当帰膠」は疲れやすい体質を改善し身体を元気にする作用が強く、「当帰芍薬散」はむくみをとり体内の水分代謝をよくする作用が特徴です。
「婦宝当帰膠」は当帰という生薬がより多く入っていますので、貧血を改善する作用、血液循環作用、生理周期を整える作用が当帰芍薬散に比べて期待でき、また「阿膠」という生薬が含まれておりますので補血作用がより増強されております。また止血作用もありますので不正出血等にも応用できます。

相談者のみっちさんは冷えや貧血が強いタイプですし、基礎体温の二相性がはっきりしていませんので、より効果的な「婦宝当帰膠」を服用することをお勧めいたします。

ほかに気になるみっちさんの症状としてイライラ、怒りっぽい、落ち込みやすいなどの月経前症候群(PMS)があります。これを中医学では「肝鬱気滞」といいこの症状を改善し、妊娠しやすい体質につなげる必要があります。
代表的な漢方薬としては「逍遥丸」、「加味逍遥散」などがありますので、合わせて服用することをお勧めいたします。

日々の注意として体を冷やすような生活は避け、ゆったりとした気持ちで『妊活』を乗り切ってください。


あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top