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【Q&A】着床しない理由 -浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】着床しない理由 -浅田先生

一番良い胚を移植したけれど、着床せず陰性でした。 浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.10.3

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相談者:みーこさん(30歳)



着床しない理由
6回のAIHを経て、体外へステップアップし、取れた卵は20個。顕微、ふりかけ半々で胚盤胞までいけたのは全て顕微受精の3個のみでした。
そのうちの一番良い胚4BAを先日ホルモン補充期に戻したのですが、着床しませんでした。
先生からは私の年齢で良好胚なのでほとんど妊娠すると言われる中で、完全な陰性。
残りの胚はBBとBCのみでとても心配です。そもそも何故着床さえしなかったのか、考えられる原因はありますでしょうか。
私は10代の頃中絶経験があります。検査の結果男性不妊により一連の治療を行なっていますが、わたしにも原因があるということでしょうか。卵管造影、子宮鏡検査ともに異常なしということくらいしか検査していません。
心もだいぶ病んでしまい、次の移植を躊躇しています。ご回答いただきたくお願いいたします。
月経データ:ルティナス膣錠をやめてから3日経ちますが、まだ生理がきません。こちらも少し心配です。



浅田先生からの回答




月経について気になることとして “ルティナス膣錠をやめてから3日経ちますが、まだ生理がきません” とありますが、黄体ホルモンをやめると、3~4日あるいは4~5日程度で生理になると言われており、5~6日目で生理が来ても特に悪いことはありません。
“心も病んでしまい、次の移植を躊躇してしまう” とありますが、一番の問題は何かというと、着床しなかった理由付けが誤っていることではないかと思われます。採れた卵が20個で、胚盤胞までいけた卵が3個というのは少ないと思いますが、卵巣刺激の技術、培養の技術、顕微授精の技術等はクリニックや医師の技量で変わりますので、ところ変われば結果も変わるのではないかと思います。

妊娠するかどうかは、卵の見た目では分かりません。現在行われている着床前診断の結果に明らかにあらわれているように、卵の見た目と卵の中の染色体異常は全く相関しません。
ただ、移植を行うにあたり、ある程度移植の順番を決めておかないといけないためにランク付けを行っているだけであり、残りの胚のグレードがBBとBCであっても、妊娠できないと決めつける必要はないと思います。胚盤胞も、縮小したり拡大したりしているため、見た目のグレードは見るタイミングで変わります。

また、着床さえしないという説明も誤っています。
胚盤胞で移植した場合、翌日に着床しますが、本当に着床したかどうかは誰にも分かりません。ですが 、“妊娠しなかった”=“着床しなかった” ではなく、着床後に胚が成長し、妊娠判定がでる前に発育が止まったと解釈すべきです。移植をした後、早めにhCGを測定すると、hCGが出ていることは良くあります。ですから、“良い卵を移植したのに着床しなかった” という理由付けが誤っていると思います。

そして、10代の時に中絶経験があるとのことですが、これも全く関係ないことです。
30歳の場合、一人の赤ちゃんが生まれるのに、平均で12~13個の卵が必要だと言われています。ただ、これはあくまでも平均の個数であり、カップルにより、より少ない場合も多い場合もあります。そのため、赤ちゃんになる卵に出会えるまで、移植を続けていただきたいと思います。

最後に、受精卵ができる率、胚盤胞ができる率が低ければ転院してみることです。
卵巣刺激の技術、培養の技術、顕微授精の技術等は、クリニックや医師により異なりますので、クリニックをステップアップすることも考えてみるべきだと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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