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初めて体外受精にステップアップする方へ

まとめ 不妊治療

初めて体外受精にステップアップする方へ

体外受精ってどんな治療?流れは?人工授精中だけどステップアップにいいタイミングはあるの?
様々な疑問を解決するまとめです。

2019.3.19

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体外受精に進むか、このまま人工授精を続けるべきか?


相談者:いちこさん(29歳)

このまま人工授精を続けてよいか悩んでおります
通院歴1年になるところです。ホルモンでの問題はありましたが薬を服用して安定しております。
去年11月に通院を開始し、子宮卵管造影検査では右側の卵管が通りにくいそうです。5月から1カ月おきくらいに人工授精をしており、9月に3回目を撃沈しました。
その時はクロミッドⓇとホルモン注射で排卵誘発し、2つ育ち、大きさはともに2cmくらい。今回は左からの排卵でした。
今まで左からの排卵が2回、右からの排卵が1回だったと思います。
先生には「年齢的にも焦ることはない。5、6回やってみてもよいのでは?」と言われております。
とりあえず、今年は人工授精をいったんお休みして、リラックスしようとも思っておりますが、アドバイスをお願いできますでしょうか。
体外受精はお金がかかりますし、準備期間も必要なので、良い気分転換になるのかなとも考えております。



"先生がおっしゃっている5、6回というのは科学的に根拠のある数字で、累積妊娠率に基づいています。
人工授精の1回当たりの妊娠率は8~10%くらい。人工授精で妊娠される方のうち、1回目で妊娠される方の確率は約4割くらいです。だいたい3、4回行うと7~8割、5、6回では9割以上の方が妊娠されています。"


体外受精に進むか、このまま人工授精を続けるべきか?



人工授精、体外受精……ステップアップの最適なタイミング


・タイミング、人工授精ともにめやすは6回

過去の事例から統計をとった結果、タイミング、人工授精ともに妊娠成立したケースを100%と考えた場合、95%の方が6回までに妊娠されています。
この統計から、通常どちらの治療方法も6回をめやすにステップアップするか、しないかを考えていただいています。

ただ、これはあくまでも統計であり、たとえばタイミングであれば、ご本人の年齢やご希望を考慮します。
妊娠しやすさは大まかにいうと34、37、40、43歳と言った年齢を境に変化していきます。
34歳なら、2人は妊娠できる可能性があり、37歳は妊娠にとって大きな壁となる年齢で、43歳となると妊娠する確率は3%を切っていきます。
このことをお話ししたうえで、ご本人のご希望を聞いていきます。
なかにはステップアップを望まず、タイミングだけで不妊治療を終え、別のライフプランを立てる方もいますし、6回以降もタイミングを望む方もいます。

タイミングで妊娠できず、人工授精にステップアップした場合の回数も6回が目安ですが、時間的な余裕がないという理由で、4回くらいチャレンジすると次の体外受精を望まれる方もいます。
逆に体外受精へのステップアップを望まず、13回目の人工授精にして妊娠されたというケースもありますので、これもご本人の希望が第一となります。
当院の場合、体外受精へのステップアップを視野に入れ、その方の卵子の育ち方のクセや特徴をさぐりながら、同じ人工授精でも少し治療法を変えながら行い、体外受精へステップアップを望まれる場合には、その方にあった体外治療のクリニックをご紹介しています。



"不妊治療を始める際、特に不妊の妨げとなる疾患がない場合は、タイミング療法→人工授精→体外受精へと進んでいくのが一般的です。このように治療方法を変えていくことを「ステップアップ」と呼びます。ステップアップの方法を過去の事例も交えて、こみちレディースクリニックの齋藤 智博先生に伺いました。"


人工授精、体外受精……ステップアップの最適なタイミング



体外受精|不妊治療


採取した卵子とご主人の精子を一緒に培養(媒精)し、自然に受精させる方法です。採精したご主人の精子は培養液で洗浄し、精子以外の余分なものを除きます。
採卵した卵子1個に対して約10万個の精子を媒精します。

当クリニックでは媒精6時間後に一度観察をし、受精の予測をすることがあります。
受精していないと判断した卵子には、その時点で顕微授精(レスキューICSI)を行います。
媒精6時間後の観察のあとは、卵子を新しい培養液に移しかえ、翌朝受精の確認をします。

〈体外受精の適応となる方〉
◎精子数、精液量がある程度あり、精子の運動性が認められる方



"不妊治療といってもその治療方法はいろいろ。
ここでは不妊治療のひとつ、体外受精について俵IVFクリニックの俵先生に解説をいただきました。"


体外受精|不妊治療



体外受精の流れ①|不妊治療


STEP 1 排卵誘発 良質の卵子を育てます

1回の治療あたりの妊娠率を高めるためには、よい卵子を育てることが大切です。
そのため、排卵誘発を行う方法がよく用いられます。
排卵誘発の方法は、排卵誘発剤を多めに使用して、複数個できれば4〜7個の卵子の発育を促す「一般的方法」と、排卵誘発剤の使用量を減らして体への負担を軽くする「低刺激法」との2つに分類されます。
また、排卵誘発剤を使用せず自然の排卵を利用する「自然周期法」もあります。


一般的方法

卵子を用い、ひいては多くの受精卵を作ることを目標とする治療方法です。
受精卵が4個以上育てば、1回で妊娠できる可能性が高くなります。
また、治療で受精卵が余れば凍結保存しておくことができ、将来、2人目、3人目も期待できる場合もあります。
排卵誘発には、卵子を育てるHMG/FSH製剤、卵子の成熟を開始させるHCG製剤・GnRHアナログ、自然排卵を抑えるGnRHアナログとGnRHアンタゴニストという4種類のホルモン剤を使います。
GnRHアナログは通常、点鼻スプレーを使用します。この点鼻スプレーの使用期間の長短、有無によって「一般的方法」は下図の3通りに分類されます。



"不妊治療といってもその治療方法はいろいろ。
ここでは高度不妊治療(ART)と呼ばれる体外受精の流れについて解説します。"


体外受精の流れ①|不妊治療



体外受精の流れ②|不妊治療


STEP 2 採卵 卵子を卵巣から取り出します

卵巣から卵子をいったん体外に取り出すことを、採卵といいます。
HCGを投与した場合、約40時間後に排卵が起こりますので、排卵が起こる前に採卵を行います。
HCGの代わりにGnRHアナログの点鼻スプレー(ブセレキュア?やスプレキュア?など)を使用した場合も同様です。
採卵にあたっては通常、点滴で静脈麻酔をしてから行いますが、低刺激法や自然周期法などで発育卵胞が3個前後と少ない場合には、痛み止めの坐薬を使用するだけで採卵を行います。
実際の採卵では超音波を見ながら経腟的に卵胞を穿刺(せんし)・吸引して卵子を取り出します。
採卵した卵子はすぐに培養液の入ったディッシュに移され、培養器(マルチガス低酸素培養器)の中に保管されます。
採卵は15分程度で終了し、ベッドでお休みいただいた後、日帰りすることが可能です。
静脈麻酔を使用しない場合には、採卵直後に帰宅していただける場合が多いです。



"不妊治療といってもその治療方法はいろいろ。
ここでは高度不妊治療(ART)と呼ばれる体外受精の流れについて解説します。"


体外受精の流れ②|不妊治療



体外受精の流れ③|不妊治療


STEP 4 胚培養 体外の培養器で受精卵を育てます

体外受精あるいは顕微授精の翌朝の観察で、前核が2つ観察される卵(前核期胚)が受精卵です。
この受精卵を培養器の中で人工的に育てることを胚培養といいます。
前核期胚をさらに培養すると、図のように2分割、4分割、8分割と細胞分裂を繰り返しながら成長していきます。
2日目から3日目の4細胞から8細胞にまで成長した胚を初期胚と呼んでいます。
また、この初期胚をさらに培養し続けると、採卵して5~6日目には胚盤胞(はいばんほう)になります。
受精卵を胚盤胞になるまで培養してから移植する方法を胚盤胞移植といいます。



"不妊治療といってもその治療方法はいろいろ。
ここでは高度不妊治療(ART)と呼ばれる体外受精の流れについて解説します。"


体外受精の流れ③|不妊治療



体外受精を検討する前に受けるべき検査は?


・初めての治療から体外受精をすすめる場合、どのようなケースがありますか?

これは一番大まかな判定ではありますが、精子の所見でいうと、運動精子の濃度が1mlあたり1千万以下であったら体外受精スタート、100万以下であれば顕微授精スタートになります。

女性側の所見でいえば、当院ではX線ではなく超音波を使っていますが、卵管造影検査で、両側卵管が詰まっていれば体外受精の適応です。

また、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値も重要な判断材料になります。
AMHは卵巣予備能、つまり卵巣にどれくらい卵子が残っているかを予測する検査ですが、AMHは個人差が非常に大きく、特に40歳以降であればAMHがほとんど0で卵の数が十分にないため、治療を急がなくてはいけないケースは意外と多いもの。
その場合も早めの体外受精をおすすめします。



"1978年、英国のロバート・エドワーズ博士らによる世界初の体外受精成功によってルイーズ・ブラウンさんが生まれました。当時は、今のようにディッシュがなく、受精卵を試験管に入れて培養したため「試験管ベビー」といわれました。現在、体外受精によって国内で累計約20万人が誕生し、世界では600万人の体外受精のベビーがいるといわれます。"


体外受精しか可能性はない?



体外受精を検討する前に受けるべき検査は?


相談者
よっぴさん(31歳)
■ 病院に通い始めて1年になります。
ひと通りの検査をしましたが、子宮卵管造影検査や腹腔鏡検査はしていません。
現在、タイミング療法を経て人工授精を5回行い、体外受精をすすめられています。
個人的には人工的なことに頼りたくないと思いつつも、赤ちゃんが欲しい気持ちから、少しずつ、できる可能性を信じて治療してきました。
しかし、体外受精は体への負担も大きいと聞きますし、ステップアップに踏み切る前にお聞きしたく……。
ほかに受けておいたほうがいい検査はありますか?



"ジネコ:ひと通りの検査はされたそうですが、ほかに受けておいたほうがいい検査はありますか?
塩谷先生:子宮卵管造影検査、子宮鏡検査、それと抗ミュラー管ホルモン(AMH)測定を行ったほうがいいでしょう。"


体外受精を検討する前に受けるべき検査は?



体外受精、転院、人口受精からの再スタート・・・


いろいろと調べるうちに、ヒューナーテストを受けるといいのではと思ったきょうこさんは、インターネット上でも評判の不妊治療専門クリニックを受診することにしました。
「今の状態のままで赤ちゃんはできるのか。○なのか×なのかということを、私は知りたかったんだと思います」
検査を受け、モニターを見ながら言われた先生の言葉は「いないね」。
ヒューナーテストの良好な結果の例を画面で見せてもらうと、違いは歴然でした。
「精子が3分の1しかいないと言われた時もびっくりしましたが、これはけっこうショックでした。先生には、人工授精より体外授精のほうがいいと言われました」
〝でも、もしかしたら次は違うかも〞。
結果を信じたくなかったきょうこさんは、2日後にご主人と一緒に再びクリニックを訪れ、2回目のヒューナーテストを受けます。
しかし、結果は同じでした。
この結果をどう受け止めるべきなのか、二人で考える間もなく、医師にこの周期で体外受精ができる、明後日に採卵が可能、という話をされます。
「あまりにも早い展開に、主人は〝営業されているみたいだ〞と怒っていましたね。すぐに体外受精という気持ちにはなれず、その周期は見送りました。その後、両方の両親にも話したのですが、どちらも〝やってみたら〞と賛成してくれたんです。ありがたかったですね」
そして翌月、二人は初めての体外受精をすることに決めました。
その周期で胚を戻し、陽性反応が出るも、値が低いので継続できるかわからないと言われました。
きょうこさんは着床を安定させるため、5日おきに筋肉注射を打つことに。
注射は腕に打つと半日は何もできないほど痛くて、お尻に打ってもらうようにしました。
病院への往復と注射で丸1日かかっても、注射したところがしびれるように痛くても、赤ちゃんを授かるためなら頑張れる……。
そう思ってつらい治療を耐えました。
しかし結果は、心拍を確認できないまま流産……。
「私はクリニックで、先生と直接話をしました。モニターでも確認しました。だから〝ダメだったんだ〞と納得できたけれど、主人は信じられなかったみたいで、『他の病院でもみてもらえ』と。それで別の病院にも行きましたが、やっぱり赤ちゃんは育っていませんでした」



"そこの先生にこれまでの経緯を話すと、子宮卵管造影検査もせずに体外受精を行ったことに驚かれました。その先生は、ひと通りの検査を行ってから体外受精をするべきだという考えでした。検査した結果、特に問題は見つからず、人工授精から治療を再スタート。4回行いましたが、残念ながら妊娠には至りませんでした。"


体外受精、転院、人口受精からの再スタート・・・



子宮外妊娠の経験から、思い切って体外受精へ


年齢的な焦りを感じ、思い切って体外受精を決意

鍼灸や漢方など、効果があるといわれる療法は全て試しながらタイミングをはかっていたにもかかわらず、次の妊娠がないまま年月は過ぎていきました。
毎月、毎月、生理が来る直前の基礎体温の下降を見ては落ち込 み、BOOさんの年齢はいつの間にか36歳になっていました。

いよいよ年齢的にも焦りが出てきたこともあり、体外受精を決意します。
そして体外受精で有名な専門病院の門をたたきます。

「治療を始めたことで、最初のころは、“きっとすぐに妊娠できる”と、気持ちはずっと楽になりました。一人で思い悩むこともなくなり、落ち込んでいる暇も与えてもらえないくらい、追われるような治療でしたから(笑)。だけど、スムーズにはいきませんでした。お金は次々と出ていきますし、注射や採卵の痛みも我慢しながらも、結果が出ないことへの失望の連続でした」

1年間に、採卵を5回、移植を3回というハードな不妊治療生活を経て、ようやく妊娠反応!
しかし、喜びもつかの間、ドクターからは妊娠8週目で稽留流産という悲しい結果が告げられます。

「心拍が確認されたら流産の確率は減るといわれているのに、心拍確認後の稽留流産だったんです。“どうして神さまは新しい命を奪うのか?”と散々泣きました。それからこのまま、 同じ病院で治療を続けていくかについて、一度リセットして考えることにしました」
BOOさんにとって、この悲しい出来事が、結果的にターニングポイントとなり、転院のきっかけとなりました。



"「このまま同じように採卵と移植を繰り返すよりも、良い卵が取れない原因 = PCO(多囊胞性卵胞)を解決できる病院に変えようと考え、それまでの病院と同系列ではあるのですが、 別のクリニックへと転院しまし た」 "


子宮外妊娠の経験から、思い切って体外受精へ



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